(一言で)授業の目標
授業の目標(詳細)
1.条件付き確率を「これまでの確率の定義(=該当事象の場合の数/全事象の場合の数)」と関連付けて理解する。
2.練習問題にギャンブルの問題を入れ、日常場面での数学の利用をイメージさせつつ、生徒の取り組み意欲を高める。
本教材のポイント
1.授業冒頭にクイズ(「さいころの出目が4以上である確率はいくつか。ただし、出目は偶数であることがわかっている。」)を出題し、\( \frac{1}{2} \)でないことで驚きを体験させる。
2.条件付き確率を「これまでの確率の定義(=該当事象の場合の数/全事象の場合の数)」と関連付けて説明する。
→考え方はまったく同じである。全事象の範囲が変わっただけである。
3.練習問題にギャンブルの問題を入れ、日常場面での数学の利用をイメージさせつつ、生徒の取り組み意欲を高める。
→条件付き確率で考えられるシンプルな賭け問題をいくつか準備し、「どちらに賭けるかゲーム」をやってみても面白いかもしれない(練習問題)。
授業デザイン
・復習問題の提示
(復習)「1つのさいころをふった。このとき出目が4以上である確率を求めよ。」
・本時問題への接続
T「今度は今やった問題に『ただし、出目は偶数であった』という条件を追加した場合の確率を考えてみよう。」「いくつになるかな?全体に聞いてみよう(下の選択肢で挙手させる)!」
(a)1/2(復習問題と同じ)(b)1/2より小さい(c)1/2より小さい
*選択肢を提示し、挙手させ、人数を板書しておく。
*前時までの内容と、本時の内容の違いを強調する。
→本時は、前時までの確率の問題に条件が追加された場合の確率を求める。
・確率の定義を確認する。
T「確率の定義は覚えているかな?」
確率=該当事象の場合の数/全事象の場合の数
・今回の問題の全事象を考えさせる。
T「今回の問いの全事象は何になるかな?」
全事象A={2, 4, 6}
・今回の問題の該当事象を考えさせる。
T「今回の問いの該当事象は何になるかな?」
該当事象A∩B={4, 6}
※事象B:出目が4以上
※今回は出目が2の場合は、全事象に含まれないので該当事象にならない。
*いきなり考えさせるのは難しいので、次の説明を行う。
(1)確率の定義の復習
(2)今回の問いでの全事象はなにか?
(3)今回の問いでの該当事象はなにか?
・考えの共有
T「では、出目が偶数であるとき、さいころの出目が4以上である確率はいくつになるでしょう?」
・ベン図を用いて、クイズ問題の(1)と(2)の違いを明確化する。
→確率を考える集合が異なる(確率の分母にくる集合の範囲が異なる)。
*正しい回答を出させることではなく、なぜ生徒がそのように考えたのかを理解することを最優先にする。
*誤った回答であっても、板書に残す。最後に、正しい回答と比較することにて活用する。
・問1を踏まえて、練習問題(問2,3)を解く。
*近くの人と相談することも可能であると伝えておく(もちろん自分でじっくり考えてもよい)。
・問2,3を解説する。
*確率の定義に則り、「全事象」と「(全事象の中での)該当事象」を確認し、条件付き確率の値を求める。
結果カード、条件カードをめくり、その答えを(ア)1/2未満 (イ)1/2 (ウ)1/2より大きいから選択します。
※カードは添付ファイル
正解で1pt、不正解は0ptとします。
クラス最高得点者には「条件確立王」の称号を与えるなどして楽しみながら取り組めるとよいでしょう。
T「今日は条件が加わった場合の確率を求められるようになりました。」
「これまでの確率が常に全事象を分母において考えていたのに対して、条件が付いた確率では分母とする事象が限定されるんですね。」
「条件付き確率の式を覚えて、代入して値を出せるにとどまらず、ぜひ条件付確率の意味するものとそのイメージを持って捉えられるようになってください。」
*問1は確率の積でも求められる(問1(1)解2)。
両者の理解を深めるため、場合の数の割合(問1(1)解1)で考えた場合と比較する。
作成者からの一言
これまでの条件のない確率から、自然な流れで条件付き確率に入ることを意識しました。
また、条件付き確率がこれまでの条件の付いていない(追加されていない)確率と同じように考えられるようになることも意識しました。
条件付き確率を苦手とする生徒は多く、確率のイメージを持たずに、ただ条件付き確率の式を覚え、それぞれに値を代入して確率を求めている生徒も多いように思います。条件付き確率の意味を理解し、イメージをもって考えられるように条件付き確率の初回の授業としてデザインしました。
2024年11月09日
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