プログラミングで正多角形を描こう!(+発展課題:星・円)

キーワード: 正多角形,作図,プログラミング,論理的思考

目次

(一言で)授業の目標

プログラミングで作図して正多角形の性質を理解しよう

授業の目標(詳細)

・正多角形の性質の理解と応用…これまでに学んだ多角形の特徴を復習し辺や角の性質を正しく理解できるようにする。

・論理的思考力の育成…プログラミングを通じ論理的な考え方や手順に沿った思考方法を学び、問題解決能力を高める。

・プログラミング基礎の習得…トリガー、順次、繰り返しといった基本的なプログラミング概念を理解し、それらを用いて正多角形を正確に作図するスキルを身につける。

・協力とコミュニケーション…グループ活動を通じて児童同士で意見を出し合うことでコミュニケーション能力を向上を図る。

本教材のポイント

プログラミング作図は、児童がこれまで学習してきた多角形の理解を深めると同時に論理的な思考力を育むことが期待できる。今回の学習では、正多角形の特徴に加えて、以下のプログラミングの基礎知識も必要になる。

・トリガー…プログラムを実行する合図のこと。
・順次…プログラムのブロックが上から順番に実行される仕組み。
・繰り返し… 指定した回数だけ、繰り返しブロック内の命令を繰り返す仕組み。

以上の内容は児童にとって難しい場合もあり、Scratchで視覚的に詳しい表現をするとプログラムが煩雑になってしまう。命令が実行される様子や角度のイメージがわかりやすいようMicrosoftの3D素材の犬とPowerPointのアニメーションを使用した。

授業デザイン

・前時の復習

・プログラミングについて簡単な説明や考え方を指導

【プログラミングとは】
・コンピューターにどうやって動いてほしいかを伝えるための命令を作ること。
・Scratchはプログラミングに使う言葉の1つで、上から順番に命令したいブロックをくっつける。
・一番最初にプログラムをスタートする合図の黄色の「イベントブロック」をつけて、旗ボタンやキーボードを押すなどしてプログラムを動かす。

【プログラミングの3つの要素】
・順次…上から順番に命令が処理されること。
・繰り返し…指定した部分を繰り返す処理のこと。
・分岐…条件に応じて実行する内容を変える命令のこと。(今回は使用しない)

・ 正多角形の特徴についての理解度を把握し復習する。

・間違えるのが不安で何もできない児童も出てくるので、プログラミングに対する学習の姿勢を指導すると良い。

【一例】
・間違えても良い。
・うまくいかなければ原因を考え、どうしたら解決できるか考える。
・答えは1つとは限らない。

【小学校におけるプログラミング教育のねらい】
・論理的思考を育む。
・プログラムの働きの良さや情報社会がコンピューターによって支えられていることに気づき、問題を発見・解決する等、より良い社会を築いたりしようとする態度の育成。
・各教科での学びをより確実なものとすること。

・ Scratchを開き拡張機能のペンを表示する。

・ペンを下ろし100歩進むプログラムを作る。

・ペンを消すプログラムを作る。

*ScratchはWeb版とダウンロードアプリ版がある。

・使い方説明

・線をリセットするためのプログラム作成

・正方形の作図方法を考え各自作成

・ PowerPointの1~2スライドで解説

・ 繰り返しブロックの使い方を指導

・「旗が押されたとき」と「ペンを置く」は必ず使用するように説明するとスムーズ。

・まず自分の力で考えるよう指導する。

*Scratchは半角数字のみ反映される。画面を指でタッチすると半角数字入力画面が表示される。

*青色の「〇歩動かす」は100~200歩程度にする。

*展開3、4で早く作図できた児童は板書の課題にも挑戦。

・正三角形の作図方法を考え各自作成

・ PowerPointの3~4スライドでヒントを出す

・ 繰り返しブロックを使用するきまりを作っても良い。

・ クラスメイトと相談しても良い。

・正五角形、円、星の作図方法を考え各自作成

※これもできたら、自分の考える面白い図形を書くプログラミングを考えさせても面白い。

・ 早く終わった児童のみ取り組む。自主的にやりたい児童は休み時間や自宅でやっても良い。

・ 学習の振り返り
※P4の板書例参照

【プログラムの一例】

・ 繰り返しや角度の関係、算数とプログラミングのつながりなど気づいたことを挙げて振り返る。

作成者からの一言

Scratch上では猫のキャラクターなどのスプライトの向きが進行方向に変わらず、角度の感覚がわかりにくかったり「〇歩うごく」の命令のみだと一瞬で描画されてしまうので“順次”の感覚が分かりづらい部分があります。

動画と違い、解説するスピードに合わせて動かせるメリットもあります。
かわいい犬のアニメーションで楽しく理解を深められたら良いと思い作成しました。

参考文献

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1417094_006.pdf(文部科学省 小学校プログラミング教育に関する研修教材)

mext.go.jp/content/20200218-mxt_jogai02-100003171_002.pdf
(小学校プログラミング教育の手引(第三版))

コメント0件

コメントはまだありません